天気晴朗

新木場の空は快晴であったが、1時間後、府中に降り立てば
「強風のため電車の運行を見合わせる」とのアナウンスの終わらぬうちに、豪雨が路面を叩き始めた。


30分も経たぬうちに空は晴れ、雲間に顔をのぞかせた陽が往来の人を灼いた。


帰路につき、最寄りの駅に着くと、雨の降った気配がなかった。



異常気象とニュースは伝える。

だが科学ジャーナリストはいう。
「ツバルは地盤沈下の問題で、温暖化と関係ない。“世界の半数の科学者は温暖化問題ナシ”との意見だよ」


100万年単位の経過で見た場合、ニュースのいう「異常気象」は平均値内の、
正常な出来事であるという。


仮にそれが異常気象であったとしても、
異常が起きないと平野などできはしないという。



何と何を比べるかで正常と異常が決まるが、それらは人にとっての出来事であり、
自然にとって正常も異常もなく、ただ起きていることに過ぎない、のかもしれない。


汗を流すべくシャワーを浴び、取り込んだばかりのタオルで拭えば、
生地にこもった太陽の熱が肌一面に伝わった。