2009-01-01から1年間の記事一覧

沛然と降る雨

マザー・テレサ生誕100年を記念し、来年1月から彼女のドキュメンタリー7作が公開される。 そのうち2本の試写会があったので、今日銀座に出かけた。 初めて、彼女の姿をフィルムにおさめたBBCによる『すばらしいことを神様のために』の中の、マザー・テレ…

祈願成就

人にとって思った通りのことなど起きることがいったいあるだろうか。 思った通りのことが成就したと見えるのは、結果から見た場合の後づけだ。 常に思った以上のことか以下の、思いのほかしか起きることはない。 何かをしようとするから、それができない。 …

実際上の出来事

認識されたものと実際上の出来事は、反転しているのかもしれない。 ちょうど自分の顔を直に見られないが、鏡を通じてしか見られないように。順では見られず、逆において自分を見られる。 確認された事柄は、常に反転されたものの姿を正としている。 対象化と…

マザー・テレサのリアルタイム

マザー・テレサにあるインタビュアーがこう問うた。「本当にあなたのやっている方法で人々を救えるんでしょうか?」 すると彼女は間髪を容れず返した。「昨日は過ぎ去った。明日はまだ来ていない。そして私はここにいて、あなたといましゃべっている」 ある…

マルクスに相談だ!

働き口がない。 いつ契約を切られるかわからない。 管理職とは名ばかりで、過労死寸前の労働をさせられる。 安定した生活を営むこともままならないのは、不況だから仕方ないのだ。 だが、本当にそうだろうか。なぜ脅かされて、健康で文化的な最低限度の生活…

エシカルジュエリー

まばゆい光を放つジュエリーは、多くの人の憧れの的であり続けている。だが、報道や映画を通じ、「紛争ダイヤモンド」が知られるようになったことから、ジュエリーの影の部分がにわかに注目を集めるようになっている。 私たちが何気なく身に付けている美しい…

蜂蜜のもたらす経験

京都の蜂蜜店で扱っている和蜜蜂の蜂蜜を手に入れた。 なんでも和蜜蜂の蜂蜜は「日本書紀」にも記されているという。これまでオーガニック系の専門店で買っていたのは、洋蜜蜂の蜂蜜だが、 それと比べた味を味わおうと思った瞬間、おそらく和蜜蜂の味を損な…

田中秀臣さん

本日より田中秀臣さんのインタビューが掲載されます。 田中秀臣さん(上武大学ビジネス情報学部教授)

ウラ・オモテ

八ッ場に関する異論と反論

オートポイエーシス

<「継続は力」が「飽きる力」を失わせる> 河本英夫

Living in Peace

社会貢献への想いとできることから始める現実的なスタンス (NPO法人リビング・イン・ピース・杉山章子理事) 日本初マイクロファイナンスファンド Living in Peace

笑い飯哲夫が語る般若心経

『えてこでもわかる 笑い飯哲夫訳 般若心経』ないない尽くしの果ての「ガンバッテー」

歌舞伎町と蝶

歌舞伎町・ヤバさの真相』溝口 敦著 チョウが語る自然の変化を見守るためにできること

動的平衡

人間は時間を止めてしか世界を見ることができない。 私たちがありのままだと思って見ている世界は、因果関係を求めるという人間特有の見方に従って現れただけの像に過ぎないのかもしれない。 動的平衡 福岡伸一氏 前編 動的平衡 福岡伸一氏 後編

Disarmament,Demobilization&Reintegration

世界各地で内戦、紛争が絶えない。 戦闘を調停する行程をDDR(Disarmament,Demobilization&Reintegration:武装解除、動員解除、社会再統合)という。 今回、登場いただく伊勢崎賢治さんは、東ティモール、シエラレオネ、アフガニスタンでDDRに携わってきた…

not ジンテーゼ

学者の放言が説得力を持ち得るのは、一般性の獲得という芸によるところだ大だ むかし、「ジャーナリズム宣言」という新聞社の広告があったが、あれを見るたび、いちいち(笑)と付け足したくてたまらない気持ちになった。遂時的に矛盾が明らかになる文など、…

性的衝動

ペニー・ガムの思考法というものがある。自動販売機に硬貨(ペニー)を投入するとガムが出てくる。 その事実をもって「硬貨がガムに変化する」。 つまり、原因と結果が機械論的に対応するという考え方だ。 「女性の露出が増えれば男子の性欲に火をつける」と…

斎藤貴男氏インタビュー

改めて新自由主義について考えてみる。斎藤貴男氏インタビュー

認識の外

「百聞は一見に如かず」というとき、往々にして忘れられるのは、 ありのままの世界を見ているつもりでいるが、人は見たいものしか見ることができない、ということだ。 人が視覚という構造を持つ限り、あるフレームの枠内の、許された範囲のものしか見ること…

自然体がわかるからだのメソッド

“歩き方だけでも、日本人と西洋人は大きく違う 前編

常にそれではない、それ以外の何か

部屋で稽古中、干していた手拭いが揺れたのを見て、あのようであればいいものをと思う。 風のそよぎと手拭いの揺らぎを分けることはできない。 只管打坐。 「ただ坐れ」と道元は言ったが、ただ手を前へ、後ろへ、あるいは上へ下へと行うだけのことが極めて難…

アメリカはなぜ詐欺師の言葉を信じたのか?

「対テロ戦争」の名の下に遂行された戦争には、それを正当化する根拠がまったくなかったのだ。 アメリカはなぜ正当性のない戦いに走ったのか。 ありもしないイラク脅威を焚き付けた人物がアメリカを戦争に導いたという。その男の名は、アフマド・チャラビ。 …

学習とは何か

「政治家とは人びとが日々の生活を改善していくうえで発生する諸問題を調整する人間のことである。 政治家に社会全体の先導(イニシアティブ)を求めることは、犬のしっぽに犬の散歩を頼むようなものだ」 バックミンスター・フラー 政治や経済の喧伝する声の…

観念の外へ

NHKスペシャル「JAPANデビュー アジアの一等国」に対する抗議が喧しいという。見てみたが、ただでさえ映像によって概念を展開するというのは難しいのに、1回の放映分にしては詰め込み過ぎだという感慨をもった。 抗議の中に「過去の価値観を現在の視点で裁…

意識

意識は、意識できることしか意識できないということを忘れる。現実のわずかな断片を意識したことを指し、人はそれを現実だと思っているわけだが、 現実は常に「それ」と思っている以外を含んだすべてだ。

小皇帝

私の周囲には、彼を信頼し、票を投じたものは皆無だ。 誰が彼を支持しているのか、いまだに謎だ。 『石原慎太郎よ、退場せよ!』

世俗・宗教・民族をめぐる混迷

日本のメディアで多用される「自爆テロ」は、 パレスチナ人の認識では「スーサイド・アタック」に他ならないことを知ったとき、 彼らの絶望の深さに気付かされた。 『イスラエル』

見るものと見られるもの

過ぎ去った出来事が過去にあったのではなく、 これから起こる事が未来に起きるのでもない。 ただ、いま、現在に過去はなく、未来はなく、現在もない。 見るものを離れて見られるものが独立して存在することはない。

正誤

誤りは悪いことではない。良いことでもない。 不確実な認識によって、誤差がもたらされることが本質的な問題ではなく、 認識はそもそも誤差によって生まれる。 ズレがないと対象を対象として捉えることができない。 鏡によって反転した像として、私は私の顔…

東京ひとりめし

友人との会食の約束の刻限までには時間があったので、駅前の丸善に入った。 店内を一巡、目に入った「ミーツ」の別冊「東京ひとりめし」を買った。 前日、比較文化の研究者に取材した際、「孤独」について、学究の話を脇において盛り上がった影響が「ひとり…