辞任演説

2010年6月2日、鳩山由紀夫首相が辞意を表明した。


いまのところ目を通した新聞媒体そのほかも「移設問題をめぐる迷走」という書き方をしている。


いったいその迷走とは、
日米安保を射程距離に据えたことを明確に表明しなかったことなのか。
あるいは沖縄に基地が偏在していたことの是正を求めたことなのか。
それとも首相の意志がぶれたように見えたことなのか。


いずれを指しているかどれを読んでもわからなかった。
アメリカに従属することが唯一の正しい基準なのか?
一年後、私たちはどういう政局のもと暮らしているだろう。


そうして、どのメディアも積極的に取り上げていない辞任演説を抜粋し、記憶にとどめようと思う。
このような発言は歴代の首相から聞くことはなかった。


「本当に沖縄の外に米軍の基地をできる限り移すために、努力をしないといけない。今までのように沖縄の中に基地を求めることが当たり前じゃないだろう、その思いで半年間、努力してきましたが、結果として県外にはなかなか届きませんでした」


「日本の平和、日本人自身で作り上げていく時を、いつかは求めなければならないと思っています。米国に依存し続ける安全保障、これから50年、100年続けていいとは思いません」


この発言を愛国主義と呼ばずしてなんと形容しよう。