2008-06-13 一陣の風 過去と過去の記憶は異なる。 過ぎ去ったことは、一陣の風のようなもので、風の吹いたことを思い返しても、 そのとき吹いた風は過ぎ去ってしまった。 記憶とは、常にいま改めて、そのつど思い返す出来事でしかない。記憶はいつもいま作られる。 それはいつ起きたかははっきりとわからない、いつかの出来事だ。 記憶はいま思い返す「かつてのこと」であり、 つまりタイムラグが記憶の別称なのかもしれない。 時間のずれが記憶だとしたら、それは定位置も定量もない。