老後の同居は幸せな時間を奪う
家族と親密に暮らすのが幸せ−−。
この考え方を疑う余地のない人にとって、高齢者のひとり暮らしは、孤独で寂然とした老後に映るだろう。
体力が減退すれば、段差につまずいて転倒したりと、生活上のリスクは高まる。家族と同居すれば、リスクと孤独というストレスを避けられるかもしれない。
現実を見ると、高齢者のひとり暮らしは、決して少数派とはいえない。
とくに男女の平均寿命の違いから、ひとり暮らしの女性高齢者の率は高い。
65歳以上の高齢者で配偶者のいない女性の割合は55%。
80歳以上になると女性の83%に配偶者がいない。
彼女たちはみな、家族から同居を避けられ、介護されない“かわいそうな”人たちなのだろうか。